snowstorm

 

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覚醒者たちと対峙した後、破れた装備を取り換えるべく倉庫に向かった。
そこには黒服が用意したのだろう様々な装備が置いてあり、数も十分にある。

その倉庫でウンディーネと色々あったのだが、彼女は身体の震えが止まるといつもの調子を取り戻して仲間の元へ戻って行った。
今、ここにいるのはデネヴだけで、一人装備を物色していた。

カタン

背後の物音に反応し、デネヴが振り向く。

するとドアの前にジーンが立っていた。
「お前か…」
デネウ゛はジーンには興味を示さず、再び装備に目を戻す。
ジーンも自分のサイズに合うものを探し始めた。

しばらく沈黙が続く。

 

 


「いや~疲れたな」
「…あぁ」
ヘレンとクレアは倉庫に向かって歩いていた。
「んだよ!その軽蔑しきった目は!あたしだってな一人で行けるぞ!けどなっ…」
そう言いながらも、クレアを逃がすまいと手首を掴み、小屋に入ろうとする。

───けど…何だ?

クレアは口を開きかけたが、ヘレンがドアノブに手をかけたまま動かないのに気付いた。

「…どうした?」
「しっ!」
ヘレンはクレアを振り返り自分の口の前に人指し指を立てた。

「?」

「中にデネウ゛とジーンが居る…」
ヘレンはほとんど口を動かさず言った。

「…?」
「鈍いな。あの二人の会話ってちょっと興味ないか?」
「…盗み聞き、ということか?」
ヘレンはクレアの質問には答えずニヤリと笑った。

 

 


「おい、お前のご主人様はどうした?一緒じゃないのか?」
デネヴは装備に目を落としたまま言った。

「…?クレアのことか?あいつは無傷だったんでな」
「そうか。…で、お前は怪我したのか?」
「ああ…。!」
突然ククッと笑ったデネウ゛にジーンが振りかえる。

「何がおかしい」
「いや…別に。まぁ今夜クレアに慰めてもらえば攻撃型とはいえすぐに治るさ」

「…どういう意味だ?」
ジーンは怪訝な顔をした。

「鈍いな。そういう意味だ」
「…」
ジーンは返す言葉がなかった。
実際クレアとは何度もお互いの身体を慰めあっていた。

「図星か。あんまり激しくするなよ。覚醒者の襲撃時に隊長が腰が砕けて動けません、なんて洒落にならない。しかし、相手がクレアじゃなぁ…。お前も満足できないんじゃ
ないのか?」
デネウ゛はクスクスと笑う。
普段はあまり感情を表にださず、口数も少ないデネヴだったが、先ほどの戦闘での興奮がまだ冷め止まないのか珍しく饒舌だった。だが、

だがそれはジーンも同じで。
「お前もヘレンとは長いんだろ。最近はミリアに引けをとっているようだがな」
ミリアという単語に反応したデネヴが、ジーンを振り返る。

ジーンはフッと笑う。
「すまん。禁句だったか。言っておくが、クレアはすごいぞ」

 

 

一方、外ではヘレンとクレアが聞耳をたてていた。

───こいつすごいのか?キスもまともにできそうにないけどな

ヘレンは疑いの目で隣のクレアをみる。

「どうだかな。キスも満足にできそうにないが…。ヘレンのキスは激しくてな。なかなか離してくれない」
デネヴはフッと笑う。

───確かにヘレンは激しそうだな。だが、それだけでは…

クレアは中の様子を見ようとドアの隙間に張り付くヘレンをちらっと見た。

「激しければいいという訳ではない。その点クレアは器用だからな、舌の使い方は完璧だ」

───へぇ~、でもあたしはただキスが激しいだけの女じゃないんだぜ

ヘレンは鼻をならした。

「キスだけ上手くてもな。ヘレンは口でも指でもいかせる要領を得ていてな」

───私だってヘレンほどではないかもしれないがそれくらい…

デネウ゛の言葉にうんうんと頷くヘレンを横目に、クレアは心の中で反論する。

「クレアだってああ見えて結構そこら辺の技術は持っているんだ」

───人は見掛けによらねーな。同期の奴とでもやってたのか?

ジーンの言葉にコクリと頷くクレアを横目に、ヘレンは思った。

「どうせ同期の奴と経験してたんだろ。残念だったな。クレアの初めてを貰えなくて…。私はヘレンのを貰ったがな」

───…ジーンはあまり気にしなそうだが…

クレアはジーンの反応が気にかかったのか、一人で照れているヘレンの上から隙間を
覗いた。

「別に私はそういう事は気にしないんでな」
「まぁ、ひとつだけヘレンの難を言えば声が大きいことだな」
難だと言うわりにはデネウ゛は満足そうに言った。

「フッ…クレアの攻められて、たまらなくなって漏らす喘ぎ声程いいものはないさ」

「!?」
二人は知らぬ間に自分たちが鼻と鼻がくっつきそうなくらいにまで顔を近付け、いがみあっているのに気付いた。

そして次の瞬間。

「…ん」
どちらともなく唇を重ねた。

 

 

「なっ!?」
隙間から覗いていたヘレンとクレアは思わず声を出してしまう。

 


「!…い…今のはなかったことにしてくれ」
突然我に返ったのか、デネヴさっと顔を背けた。

「あ、あぁ…」
ジーンもデネヴから視線を外す。

「そ、それより…装備を探さなければな」
「そう…だな」
二人は再び装備探しに戻った。
今起こった事をなんとか誤魔化すために。

 

 


「て…てめぇ、クレア!あたしのデネヴに何しやがる!」
「わ、私の関知するところではない。それに手を出したのはデネヴだろ」
「ジーンがしてきたんだ!ジーンはお前のだろ!ちゃんと管理しやがれ!」
「そっちこそ、姉さん姉さん言っているからデネヴがジーンになびくんだろ」
「くっ…。こ…この眉なしが!」
「私に言われても困る。だが、眉がないからなんだ。ジーンが髪をおろすとなかなかかわいいんだぞ」
「フンッ、デネヴの方が百万倍美人だぜ」

より一層風が強くなり、二人の声を掻き消していく。

「…な。ジ…だ」
「ふ…、てめ…ろ!」
「わ…………」
取っ組み合う二人の姿が白い世界に呑み込まれる。
吹雪はまだ止みそうにない。

 

 

 

あとがき

俺の嫁トークがさせたかっただけ・・・^^;

ただ・・・・それだけ・・・・

 

 

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